東京世田谷の無痛分娩 産婦人科クリニック 田中ウィメンズクリニック

電話予約制 月~土9:00~5:00 03-3718-3181

院長放談、コラム

私の人生の中で今までに起きたことを、対談形式でご紹介したいと思います。

聞き手:マタニティー&ベビーケアサロン メビウスYO倉澤玲維子
ペリネイタルカウンセラー*として、当院の両親教室やSANGOクラブにも参加。
*ペリネイタルカウンセラー(妊婦に起こりがちな、病気とまでは言えない不快症状、
例えば肌のトラブル、むくみや肩こり、腰痛などに対するケアや、赤ちゃんに関するアドバイスを行う)

年月ごとに見る

院長コラム 2017年10月

倉澤[倉澤]最近、無痛分娩による医療事故が話題になり、その安全性を心配する声も上がっているようですが、メディアからの取材は断っていた先生が、今回時事通信社ニュースセンターデジタル編集部の取材をお受けしましたね。

田中話題を追いかけるバラエティ番組等では,急に来てバタバタと取材して、すぐの放映ですから、丁寧に説明しても短時間の露出で、その内容の一部だけを切り取って放映されると偏った話しになり、真意が伝わらないことがあります。例えば極端な場合、長所と短所を説明しても肯定的な結論を望むときは長所だけ、否定的な答えが欲しいときは短所を説明しているところだけを出されると真実が伝わりません。言った本人には不本意な思いが残るので、興味本位の取材はお断りしているのですが、今回は取材の趣旨が:関西地方を中心に死亡事故などの判明が相次いでいる[無痛分娩]について、産婦人科医(総合病院、診療所)、麻酔科医、弁護士(医療事故)、体験者らを取材。メリット、デメリットを含めわかり易い情報を提供することで、読者(妊婦や関係者)らの分娩方法を検討する際の参考にしてもらうと言うもので、取材時間も十分にとっているのでお受けした次第です。

倉澤このところ無痛分娩の希望者が増え、無痛分娩を行う産科施設が急増しました。 先生はある時期事故が多発するのではないか?と、心配されておりましたね。

田中死亡事故のような大事故は氷山の一角で、そこまでには至らなかったトラブルや小事故は多発していると思います。無痛分娩の診療体制が出来ていなければ、硬膜外麻酔が出来る医師がいるだけではうまくいかないのです。
これから一時的に無痛分娩を敬遠する傾向が続くと思いますが、世界の趨勢は無痛分娩ですから、しばらくすると体制も整い事故も減ってきて、確かな施設で無痛分娩をという事になってくると思います。

倉澤麻酔分娩の大事故はどのようにして起こるのか説明してください。

田中そもそも合併症や副作用のない医療はありませんので、たとえ運悪く起こっても発見が早く、正しく対応すればことなく済みます。比較的起こりやすいものから極めてまれにしか起こらない大事故まで入れると5つぐらいでしょうか。次のようなことです。
① 全脊麻:硬膜外麻酔においては適量の麻酔薬が、硬膜の内側のくも膜下腔に誤ってはいってしまうと10倍以上の過剰投与になり、脳脊髄液の中で拡散するので全脊髄くも膜下麻酔という状態になり、急速に呼吸が止まり、意識も消失する。3分以内に人工呼吸で酸素を送っていれば1時間ぐらいで自然呼吸が始まり30分くらい呼吸を補助していれば完全に回復し、後遺症も残らない。
② 局所麻酔薬中毒:硬膜外腔の中を通っている血管に麻酔用のカテーテルが誤って入り、この麻酔薬の血管内注入が続くと不整脈や痙攣が起こる。テストドーズの投与(少量の麻酔薬を注入して口の中に金属の味がしたり、耳鳴りがしたり、舌が痺れたりしなければ血管内への迷入が無い事が解る)で確認できる。
③ 子宮破裂時の発見の遅れ:分娩中のある時、急に過強陣痛が起こり子宮破裂を発症することがある。その際は強烈な痛みの訴えで早期に発見できるが、無痛分娩では痛みを感じないので発見が遅れやすい。急速に発生する胎児心拍の悪化、異常収縮による腹部の変形や異常出血などの早期発見がカギとなる。
痛覚は生体防御機構の一つで、アラームサイン(警告メッセージ)である。麻酔によってそれを取り除いた医療者側にはその防御機構を肩代わりして引き受ける責任が発生している。従って、分娩監視装置(CTG)で胎児心拍と子宮収縮を連続的にモニターして、きめの細かいフォローにより早期発見を心掛ける。
④ 硬膜外血腫:硬膜外穿刺針やカテーテルで硬膜外腔内の血管が損傷されると血腫が形成され、下半身麻痺などの神経障害を惹き起こすことがある。早期発見、血腫除去の外科手術が必要となる。予防策の一つは 血小板減少症による出血傾向がある場合は硬膜外麻酔を行わないことである。
⑤ 神経損傷:硬膜外穿刺針が硬膜外腔内の神経を損傷し、下肢の麻痺、しびれ
や痛みをのこすことが稀に起こりうる。穿刺針やカテーテルを挿入した時に下肢に強い電撃痛を認めた場合は、それらを抜去し一旦様子を見た上で再挿入する
以上です。事故の内容を説明して下さいと言われますと、このような専門的な話になってしまいます。

倉澤確かに一般の人にはこの様な合併症の説明は分かりにくいと思います。でも当院の産婦さんは医師も、その奥様もいますし、他科の医療関係者も見て下さるかもしれませんから良いのではないかと思います。
次に無痛分娩のメリットとデメリットについて簡単にお話しください。

田中メリットは、 痛みで血圧が上がったり過呼吸発作が起きたりしないので、リラックスして過ごせ、体力の消耗が少ないので産後の体力回復を早めます。局所的には産道の伸展性が良くなりいきみも上手にできるので、分娩時間が短縮し裂傷やそれによる出血も少なくなります。あまりないことですが、胎児の状態が急変して緊急帝王切開が必要になった時、手術の決定から執刀までの時間は早いほど良いのですが、こういう場合に短時間で手術に移行できるのも隠れたメリットといえます。

倉澤麻酔で分娩時間が長くなり出血も多くなる、鉗子や吸引分娩が増え裂傷も増加すると言っている施設もあるやに聞いていますが。

田中そういう無痛分娩もあると思います。当院のデーターを見て頂けば納得されると思います。その原因の一つにはマタニティビクスによる体の若返り効果も好成績に貢献しているのだと思います。

田中ウィメンズクリニック分娩データ 抜粋 H20~H28

項目 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28
帝王切開率 8.81% 11.76% 8.67% 9.88% 6.23% 9.00% 6.67% 5.78% 8.66%
吸引・鉗子施術率 25.08% 27.00% 24.37% 30.65% 33.33% 31.14% 28.32% 27.44% 26.48%
分娩時間 平均値 582分 586分 566分 554分 590分 589分 637分 582分 624分
分娩時出血量 平均値 243ml 279ml 282ml 298ml 284ml 237ml 280ml 268ml 270ml

☆分娩の成績は初産・経産の比率や平均年齢に大きく影響されますので、
この表は一応 の目安として考えてください。

倉澤デメリットは何ですか。

田中一番心配なことは分娩を安易なイベントと勘違いしかねないことです。
分娩はリスクを伴う大事業なのですが、あまりにも楽なので分娩に対する認識を誤らせる可能性があります。赤ちゃんが生まれた途端「こんなに楽なら100人産みたい!」と言ったママがいました。
もう一つのデメリットは、硬膜外麻酔は技術的にやや難しいのではないかと思います。硬膜外麻酔分娩を実施し始めたばかりの産科施設が急増したためトラブルが多発しているのかもしれません。当院では分娩後アンケート調査にご協力いただいていますが、その感想欄に、他院で無痛分娩を経験された産婦さんのほとんどが「本当に痛くなかった」と驚きの言葉を残して帰ります。

倉澤8月のアンケートでも、初産婦さんも経産婦さんも「本当に痛くなかった」と「本当に」が多発していますね。感動していっぱい書いてくださる方も多いのですが、簡単な文章の一例を掲載させて頂きます。
当院のホームページでは、10年ほど前から毎月、出産後にお寄せいただいたメッセージを全例掲載させて頂いています。この欄を遡れば600人以上の当院の産婦さんの声を聴くことが出来ます。そこを見ると「本当に痛くない無痛分娩」を確認することができますので安心してください。

田中 結論としまして、:産科施設を構成するスタッフ全員が経験豊富で無痛分娩に精通し、施設も合目的的に整っていて、より安全なお産を目指して全員が協力体制で臨めば満足のいくお産を提供できると思います。安全性から見ますと、その産科施設で最も数多くおこなわれている分娩方法がその施設では最も安全です。スタッフも経験豊富で、設備もその方法に合わせてあるからです。従って全例に無痛分娩を行っている施設が最も安全だと思います。

倉澤今月は今問題となっている無痛分娩について、貴重なお話をありがとうございました。

田中ではまた来月。よろしくお願いします。

マタニティ&ベビーフェスタ2018
ご予約はお電話にて

Tanaka Women's Clinic

田中ウィメンズクリニック
〒158-0083 東京都世田谷区奥沢5-25-1
駐車:2台

診察時間 月 火 水 木 金 土 日
9:00~12:00
1:30~5:00
電話予約制 03-3718-3181

東急東横線 自由が丘駅南口 徒歩4分
大井町線 自由が丘駅南口 徒歩4分
東急目黒線奥沢駅 徒歩4分

CLOSE
TOPへ