ただ、その2、その3の誤解にはしゃあない部分もありましてね…。
その昔、麻酔学が独立した学問としてわが国に入ってきた当初は「全身麻酔」が盛んに行われていて、そのため産科医も無痛分娩を全身麻酔で行っていた時期があったんですわ。で、当時の全身麻酔では分娩時間が長引いたり出血量が多くなることも確かにありました。スリーピングベビーなんていう言葉もありました。 でもそれは昔の話!
現在の産科麻酔の意義は「痛みを取ると同時に全身の状態を管理する」、「分娩をより安全に進行させて分娩時間を短くする」、「出血量を少なくする」という点にあるのですよ。
欧米先進国では今や麻酔医が産科医と共に分娩に立ち会うのが通常なんです。 この点わが国の産科医療体制は10年以上遅れているってのが現状です。その大きな理由は麻酔医が少ないうえに産科に精通した麻酔医はなおさら少ないという事情があります。
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