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1-3.無痛分娩に対する3つの誤解

お産の痛みなんて母子双方にとって有害なストレス以外の何者でもありません!!
痛くない方がお母さんはもちろん赤ちゃんだってハッピーなんです。
で、この激しい痛みを取り除くのが産科麻酔、つまり麻酔分娩=無痛分娩なのです。

ところが現在のニッポンでは未だ産科麻酔に対して3つの大きな誤解があるんです。

誤解…その1
“欧米先進国ではラマーズ法などの麻酔を行わない分娩が主流である”と思いこんでいるのはコマッタ誤解!
北里大学産婦人科の西島正博教授の調査によれば1987年の時点で欧米の医学先進国ではお産全例の約80%に麻酔が行われ、すべてのお産に麻酔分娩を行う私設は25%に及んでいました。
また同大学産婦人科の島田信宏教授の最近の調査ではアメリカ・フランスを始め全ての医学先進国で麻酔を行うお産は100%に近づきつつあるとのことです。
誤解…その2
無痛娩娩が「意識がなくなる」全身麻酔だと思われているのはザンネンな誤解!
今や世界の産科麻酔の主流は局所麻酔の一種である「硬膜外麻酔」です。
これは痛みはとれても運動神経には影響が少なく自分でいきんで自分で産めるんです。
誤解…その3
麻酔によって「分娩時間」が長引いたり「出血」が多くなるというのはまったく逆の誤解!
麻酔薬による赤ちゃんへの悪い影響(抑制)もありません。
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ただ、その2、その3の誤解にはしゃあない部分もありましてね…。

その昔、麻酔学が独立した学問としてわが国に入ってきた当初は「全身麻酔」が盛んに行われていて、そのため産科医も無痛分娩を全身麻酔で行っていた時期があったんですわ。で、当時の全身麻酔では分娩時間が長引いたり出血量が多くなることも確かにありました。スリーピングベビーなんていう言葉もありました。

でもそれは昔の話!

現在の産科麻酔の意義は「痛みを取ると同時に全身の状態を管理する」、「分娩をより安全に進行させて分娩時間を短くする」、「出血量を少なくする」という点にあるのですよ。
欧米先進国では今や麻酔医が産科医と共に分娩に立ち会うのが通常なんです。
この点わが国の産科医療体制は10年以上遅れているってのが現状です。その大きな理由は麻酔医が少ないうえに産科に精通した麻酔医はなおさら少ないという事情があります。

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