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4-2.そこで成熟期誘導・誘発硬膜外麻酔

 高齢初産などで子宮口が硬い場合、前夜から翌朝までの間に子宮口をある程度広げる処置が必要になる場合があります。この時には小さなバルーン(ミニメトロ)を子宮口に挿入します。

 初産婦の分娩時間が経産婦より長いのは、子宮口が4〜5センチメートルに開くまでに時間がかかるからなのです。従って産痛の大半は分娩第一期にあるので、当院ではこの時点から痛みに対する備えをしますので、夜中に陣痛が起きても翌朝まで痛みはありません。そのため産婦さんには横になり背中をまるめてじっとしていてもらいます。腰部を消毒した後、皮膚の麻酔をして硬膜外針で細いチューブを硬膜外腔に留置して固定します。これによって痛みの種類や強さに応じた薬を硬膜外腔に随時入れて痛みを取ることができます。

 翌朝までに陣発しない場合、子宮口を軟らかくして、ゆっくりと陣痛がついてくる錠剤を一錠服用していただくこともあります。陣痛によって子宮口が開いてミニメトロが外れたら浣腸を行い、万一の備えでもある点滴(血管確保)によって輸液(ビタミン加乳酸リンゲル液約500ml)を行います。
この頃殆どの症例では陣痛が始まっていますが、陣痛が微弱な場合はこの点滴を利用して陣痛を誘発叉は促進する薬を極めて少量づつ入れて行きます。分娩監視装置で子宮の収縮の強さや頻度、胎児の心拍などをモニターしながら点滴の注入速度を加減することによって、ほどよい陣痛に調節します。分娩第一期の子宮口がおし広げられるための痛みには鎮痛薬を注入しますので痛みは取れますが麻痺はないので歩行も自由です。次第に強い陣痛によって子宮口が全開し、赤ちゃんが産道を降りてきて外陰部や会陰を圧迫し、皮膚が引き裂かれるような痛みが発生します。この痛みには局所麻酔薬を注入して除去します。痛みだけが無くなり、他は自然のお産と同じです。自分でいきみ自分で産むのです。深呼吸の後、体を起しながら丸くなっていきみます。痛みがなく冷静に介助者の言うことを聞くことができるため、いきみの動作が上手にできます。筋肉や皮膚も最大限の伸展性が発揮できるので裂傷が起こり難く出血も少なくてすみます。
 胎盤が出た後のチェックもスムーズで子宮収縮が良く、後出血も少量に抑えることができます。

表2:硬膜外麻酔による産科麻酔

分娩第1期(開口期)分娩第2期(娩出期)
痛みの種類・内臓痛
生理痛や胃けいれん、胆石による痛みのような内臓の痛み
・体性痛
皮膚や筋肉、骨膜などが打たれたり切られる時の痛み
適応麻酔鎮痛薬注入局所麻酔薬注入
特 徴・体のどこにも麻酔がこない
・歩行も自由
・効果は5分前後から20時間位続く
・すべての痛みを除去
・痛みによる局所の緊張がなくなり、産道を形成する軟部組織は完全に弛緩するので伸展性は最大
・介助者の指示通りの動作ができる

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