水とカラダ

第2章 いい水飲もうよ
工場排水、生活排水、農薬や家畜の屎尿、産業廃棄物などによる汚染で、私たちの飲む水は危険にさらされています。短期的には自覚症状がないまま蓄積されてゆき、ある時突然に遺伝子までも損傷させ子孫にまで影響する有機水銀による水俣病。古い水道管のさび止め亜鉛メッキから溶け出すカドミウムによるイタイイタイ病。塩素系プラスチックのゴミの焼却時に発するダイオキシンをはじめとする環境ホルモン(内分泌撹乱物質)の害。とりわけダイオキシンは母体脂肪組織に蓄積し、母乳によって乳児に移行することが大問題になっています。環境ホルモンの胎児・新生児への影響は動物実験からのメッセージとして最近の多動症や「きれる」子供の心の発達への影響が検討され始めています。
近年ではペットボトルの水を飲む習慣が急速に普及しましたが、それらの中身はすべて処理を施した「人工の水」です。加熱殺菌していないものは封をあければ腐り、加熱殺菌した水は酸素が失われた「死んだ水」なのです。
乳児に与える粉ミルクの原料は牛乳ですが、牛乳はミネラルの固まりのようなものです。腎機能が未熟な赤ちゃんの粉ミルクにミネラルウォーターが加わると、特に国産の10倍ものミネラル含有量の水を使えばミネラル過剰になってしまいます。
我が国の水道水には法律で定めた基準の10倍以上の塩素が注入されています。塩素は消毒効果は絶大ですが、食物中のビタミン類を破壊し、シミ、シワを増やし、腸管内の善玉菌を殺し、血管に障害を与え、老化を促進し、水中の汚濁物質と反応してトリハロメタンをはじめとする有害性(発ガン性・催奇形性)の強い有機塩素化合物を作り出してしまいます。

このような水道水を飲み水に適したものにする水処理の方法としては、整水器でミネラルを整え、活水器で水を活性化させ、浄水器で不純物を除去するなど3種類の機器が製品化されています。この3種類の中で世界的に論拠の確立された水処理器は浄水器です。但し、コンパクト設計、安価な小型浄水器や濾過方式では浄化能力が低く、早め早めにカートリッジを交換しないと、ためこんだ汚れを放出し始めるので逆効果です。

これに対して逆浸透膜タイプのものは、通常の濾過方式の浄水器とは全く異なり、動植物の細胞膜に近い人工の半透膜圧力をかけ、その逆浸透作用によって高純度の真水を作ります。
これは海水から真水を作ったり、宇宙飛行士の尿から飲み水を作る循環飲料水にも利用されています。このフィルターはミネラルさえ通さないのですから細菌はもとより水銀、カドミウムなどの重金属や環境ホルモン、有機塩素化合物も完全に除去できます。

この逆浸透膜浄水器の唯一の欠点は一見すると他のコンパクト型のより高価に見える点です。実は年間を通じて計算すればペットボトルの水を飲むよりは遙かに安価なのです。
カートリッジ交換も1〜2(水質による)年に1回定期的に業者側の責任で行ってもらえるのでメンテナンスに手がかからず気楽です。田中ウイメンズクリニックでは赤ちゃんの沐浴やミルクを作るのにこの不純物の全くない赤ちゃんに最も良い水を使い、調理にもこの水を使っています。入院中の患者さんから、食材の味が生きていて美味しいと好評を得ています!

さあて、今月のお勉強はここまでです。
皆さんも日頃飲んでいる「水」について振り返り
カラダにいい水を積極的に摂る(一日に2リットル)ように心がけてくださいね!
では、また次号でお会いいたしましょう。

お勉強の前を読む
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第1章 いのちのもと「水」