当院では、最新の医療機器(分娩監視装置・PCEAなど)によって、安全性の高い分娩進行を計っています。
分娩監視装置には内測計と外測計とがあります。腹壁の外から胎児心音や子宮収縮を記録する外測法では胎児の産まれ出る直前の一番大事な時に心音が聞き取り難くなりがちであり、子宮収縮もその強度は大まかにしか分かりません。
それに対し内測法では子宮収縮の強さを正確な数値(水銀柱圧mmhg)で測定できます。そして胎児の心拍数は胎児が産まれ出るまで連続して測定できます。羊水減少による臍帯圧迫に対する人工羊水の注入も容易です。
また間歇期(子宮収縮が終わって次の収縮が来るまでの間)の子宮内圧は10mmhg以下が正常であり、この間歇期に20mmhg以上が続けば子宮破裂や胎盤早期剥離などが起こりやすくなりますが、外測陣痛計ではこの評価ができません。従って当院では必要に応じて内測陣痛計を使用して有効で安全な陣痛強度に調節し、胎児心拍を正確にモニターします。痛みのコントロールを産婦自身で行える装置(PCEA:自己調節硬膜外麻酔)を使って最小有効量で痛みをとります。
母体には大出血など突発的な異常事態に備えて血管確保を行い、麻酔器や吸引器、無影燈など常に緊急帝王切開が可能な環境で分娩を行っています。
(妊P第5号特集無痛分娩3参照)